このページでは医療不信に陥ってしまった患者さんについてご紹介します。
最近、治療を受ける患者さんサイドが、昔と比べて積極的になってきたと言われています。簡単に言うと、かつての“病気の治療をしてもらう”という態度から“一緒に病気を治す”という姿勢に変化してきているということです。この変化には、患者さんの持つ医療不信が隠れているといわれています。
一時期、医療関係の問題が大きくクローズアップされた時期がありました。たとえば非加熱製剤によるエイズ感染であったり、医療関係者による筋弛緩剤投与という決してあってはならない事件であったり…。
医療ミスを発端とする死亡例・重症化の例も、残念なことに時おり報道されているのが実情。
直近の話題では、ポリオ(小児まひ)の感染を引き起こす恐れのある生ワクチンがごく最近まで用いられていたという話もありました。ようやく日本でも不活化ワクチンが用いられるようになりましたが、厚生労働省の対応が遅きに失したのは否めません。
もちろん、これらの幾つかは現場の看護師には責任がない問題です。ですが、一般の方にしてみれば、すべて同様に医療不信を引き起こす不祥事として認識されるでしょう。これは致し方ないことです。
この医療不信はどんどん拡大し、今では「医者・看護師の判断に間違いはないだろう」と考える人はほとんどいなくなってしまいました。『白い巨塔』や『ブラックジャックによろしく』といった医療不信の根本原因を糾弾する創作物が支持を集めているのもまた、この流れにあっては当然かもしれませんね。
医療への不信が拡大した結果、最近の患者さん・患者さんのご家族は医療関係者の仕事に厳しい目を光らせています。
インフォームド・コンセントの前にはインターネットを調べて、しっかりと予習してくる方も増えましたね。
それだけではありません。説明された内容はすべてメモをとって、的確な疑問をぶつけてくる。ベッドサイドの看護師に「この点滴は何の薬ですか?」「このモニターの数値は何を意味してるんですか?」などと確認する。
本当に昔とは変わりました。患者さんサイドのメモは、下手をすると看護記録より確かなくらいですから。
もちろん、私自身はしっかりと仕事をしていますので、メモをとってもらうのは一向に構いません。患者さん自身が積極的に治療に参加するのも良い傾向だと思います。
ただ、患者さんサイドと信頼関係を築くのが昔ほど簡単じゃなくなったのは事実です。
私たちのように医療不信の時代を生きる看護師は、よりいっそう患者さんとの信頼関係構築のため努力しなければいけませんね。
とにかく丁寧に看護をして、患者さんサイドに安心してもらえるだけの情報を提供していくこと。それが、医療不信を払拭するための唯一にして最大の手段ですから。
看護師の正確な技術と知識が要求されている…。患者さんや家族の方とふれ合う度、そんなふうに思うのです。妥協することなく、努力していかなければなりませんね。
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